「普通のラーメン」
駅裏に、辛いことで有名な、うまいラーメン屋がある。私は辛いもの好きなので、よく食べに行く。 ラーメンの辛さは、L (大辛) M (中辛) S (ちょっと辛い) の3種類ある。 【最近、2L と 3L(激辛) もメニューに加わった。】 私は辛いもの好きだが、それでも M (中辛) が限界だ。 あるとき、このラーメン屋にひとりで入った。すごく混んでいたが、4人掛けのテーブルに座ることができた。私はいつもどおり、辛味噌ラーメンのM (中辛)を注文した。
ちょっとしてから、60歳ぐらいの夫婦が入ってきた。店は混んでいたので、この夫婦は、私の向かいに座り、合い席となった。
店員 「ご注文は、なんになさいますか?」 夫 「チャーシューメンと、この辛味噌ラーメンをくれ!」 店員 「辛味噌ラーメンは、辛さが L M S と3種類ありますが、どれにいたしましょうか?」 夫 「普通のでいい。普通ので…」 店員 「では、Mですね♪るん
えっ! M ? えむぅ? M は辛いぞぉ。大丈夫なのかな? と、私は思ったが…自分のラーメンが運ばれてきたので、さっそく、食べた。 うん、うまいラーメンだ。
やがて、この夫婦にもラーメンが運ばれてきた。 店員「チャーシューメンは、どちらさまでしょうか?」 夫「おぅ、俺だ。」
えっ? 辛味噌はだんなが食べるんじゃないのか? 奥さんが食べるのか…? この辛いもの好きの私でさえ、M なのに、この奥さん食べれるのかな? と、思いながら、見ていたら… やはり… むせる、むせる。ゲホッ!、ゲホッ!、咳き込んで、辛い辛い と言いながら、 スープを寄せて麺だけ食べている。それも辛さで、涙を流しながら…汗を拭きふき…、見て いて気の毒なぐらいだった。
だいたい、どうして、奥さんが食べるものを、だんなが勝手に注文するんだろう? このだんなは、辛味噌ラーメンの M がどれぐらいの辛さか知っているのだろうか? 自分で注文したから、てっきり、だんなが食べるものとばかり思っていた。 それに、店員に「辛さ」を聞かれて、だんなが「普通のでいい」って、言ったのに、 「では M
ですね♪るんるん 辛味噌の M を食べたことがあるのだろうか? 私でさえ、ぎりぎり食べれる辛さなのに…
「普通でいい」って、言われても、 服のサイズじゃないんだから、 M はないだろう?
この夫婦の夫へ…………… 自分で注文したら自分で、食べてほしいよな。 この店員に………… どうして、ラーメン屋の「普通の辛さ」が M になるんだよ。 ちなみに S だって充分に辛 いぞ!
でも、うまいラーメンだった。
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